イタリアのオペラ公演は社交の場としての意味合いが強い
これは9年前位の情報になりますが、僕がイタリアでオペラ鑑賞をしていた時に、日本との違いについて、気づいたことをお話します。
オペラ公演があるとき、日本では歌劇そのものを目的にしていることが多いことに対して、イタリアでは、知人や親せきと会って、にこやかに話したり、若者のデートスポットになっていたりという、社交の場としての目的にもなっているということです。
これは、利用者側=お客さんの意識の違いということではなく、提供者側に、その視点があるかないかの違いだと思っています。
イタリアでは、オペラの幕の間では、休憩時間が30分など、長めにもうけられて、ロビーにある喫茶コーナーで注文し、のんびりと談笑を楽しみます。
このようなひと時が、意外と大切なんだろうと思います。
対して日本では、ロビーに喫茶はほぼないし、自販機すらないことも。雰囲気も何もないことがある。
お腹がすいてのども乾いてきたりすると、もう演奏自体どうでもよくなって早く終わらないかなぁって考えたりする。(笑)
そういうわけで、メインは演奏なんだろうけど、サブのほうも大切にするという考え方。
次にチケットの値段設定について。イタリアでは、高い席もあるがとても安い席もある。
S席1万5千円があっても、安い席なら2,000円とかで入れたりする。
学生なら、当日高い席が空いていると、一律2,500円でどこでも座れる。
そういうことをやっていました。実際に敷居を下げているんです。
名演奏なら、CDやDVD、ユーチューブでも楽しめるような時代。それ以外の価値とは、それでも演奏会に出かけていく動機は何なのか?
「生」演奏を聴くということは当然として、それ以外のサブの価値をプラスしていく。
僕は、そんな視点が大切だと思っています。