コレさんの私新聞「礎」第147号 - 2012年4月1日(日)

夢はシャボン玉? 座折しない男の戯言

 寝てる時見るのも、将来の希望を抱くのも夢である。あなたの夢は?と、大抵の人が問われた経験があるだろう。

 スターやパイロット等それぞれ時代によって異なるが、大部分はシャボン玉だ。いつのまにかパチンと弾ける。年齢を重ねるごとに段々と現実的な夢を思い描く。夢だから非現実的でも構わないが、それが戯言に過ぎないと気づいたら“見直し”すればよいのだ。だが夢を実現しようとしても、おのれの才能では遥かに無理だと悟る時がくる。問題は諦めきれず挫折したり、夢が人生のすべてだと拘ることだろう。私のような自信喪失人間は最初から夢に固執しない。ひたすら現実的楽観的に構えた。だが必死だった。

絵を描くきっかけ

 幼い時から独りぼっち。これでもかと苛めを受ける。遊ぶ相手もいないから、農家の牛小屋で一日中牛を眺めた。帰宅後鉛筆で絵を描く。頭の中にある映像を紙に再現するのだ。家族から褒められ図に乗る。クラスでも評判になった。借りた漫画で「アトム」や「赤胴鈴之助」に夢中になる。必然的に漫画家になるのが夢になった。以来授業中も教科書の余白が私のキャンバスになった。

 大学はジャナリストを目指し社会学科を専攻したが、漫画家の夢も捨てきれず、意を決して当時人気漫画家だったTT先生の自宅を訪ね相談したところ、「止めなさい」と言われた。それより商業デザインの道を勧められた。これが私の人生の分岐点となった。

グラフィックデザイナーに

 夢中でデザインを学ぶ。造形学、色彩学から美術の歴史や技法等々。最も好きだったのがレタリング(文字、ロゴタイプ)。最大の文字は一文字2メートルのデパートの垂れ幕。床に紙を敷いて描く。これを下町の染物屋に持ち込むのだ。日本橋のTデパートに垂れ下がる巨大な布に描かれた自分の文字に感激した。実はグータラ人間と自覚していたのだが、意外と凝り性で好奇心は並みの人の10倍以上はある。おかげで何にでも手を出し「器用貧乏生活」の人生を送ることになった。

突然番組ディレクターに!

 最初は銀座等を中心にディスプレイデザインの仕事。しかし望郷への思いも強く大分に帰って印刷会社で3年修行する。その後フリーとなるも新テレビ局開局を聞き応募、奇跡の合格、入社を果たす。1年間、番組タイトルやスタジオセット、新聞広告の仕事をこなすも、突如制作部長にヘッドハンティングされた。下積みなしで番組ディレクター、それもチーフ。誰もが憧れる仕事に「ゴマスリ」の陰口も。だが本人は最初は拒絶したのだ。「そんなもの興味ありません」と。大体無茶苦茶な人事異動ではないか。

 それにすぐ襲ってきた試練は、3か月後放送の特番3本である。誰が信じる?何年も制作のノウハウを学び、下積みがあってこそ作れるのだ。周囲の冷ややかな視線の中、私はとんでもない方法で3つの特別番組を完成させた。(紙面の都合上割愛する)「せめてお勉強を…」なんて現場では通用しない。待ったなしである。それで高校野球やプロ野球、バレー中継等々も経験。田舎のディレクターは何でも作る。地域初のワイド生番組も仕掛けた。議会や総選挙、誘拐事件、昭和天皇崩御中継等々数えきれない程の番組を作らせてもらった。

無鉄砲な挑戦が道を開く

 ハチャメチャ人生は続く。またも系列の広告代理店&映像プロダクションからヘッドハンティングされたのだ。それも1年がかりで。「これが最後のご奉公」と決断した。着任早々、全くのド素人で大イベントの企画コンペに周囲の反対を押し切って参加。世界一のD社と業界2位のH社を引き離して満票で勝ち取り採用されたのだ。(詳細略)

 この大仕事をきっかけに、東京の業界に殴りこむ。私はついに映画製作委員会事務局の責任者までやった。出演者のギャラや製作経費すべてを処理。おかげで映画製作のノウハウまで学んだ。さらに東京NHKの依頼で「小鹿田焼き」の台本からロケ、編集までこなす。また九州の国宝紹介番組まで作るなど、民放がNHKの番組を頼まれる常識破りまで経験してしまった。

シャボン玉飛んだ…

 さて、とんでもない人生だが、冒頭の夢に関係するゆえ敢えて記したのである。

 シャボン玉の筈だった幾つかの夢はグウタラにも関わらず結果的には成就していた。―まず漫画家変じデザイナーに、ジャーナリストも末席だが、番組制作やニュースデスクもやった。二千人の管弦楽団や合唱団による森の中の大ミュージカル企画、映画製作CM制作はおまけ…。小学校で観て感動した映画「ひめゆりの塔」の主役津島恵子さんを空港に迎えにいき、車中やカフェでコーヒー飲みながらお話できたことも、今でも夢を見ている思いだ。

 夢に挫折なんかない。挫折は本人の心の中にある。

ひき相撲

ひき相撲のイラスト

 日本人は温厚だからか格闘技は一般に好まない。日本で空手が普及しないのに、世界では人気の格闘技だ。日本では野蛮、低級と蔑むらしい。私は格闘は好きだ。一般には知られないが、ひき相撲というのがある。もっと若ければ普及運動したいのだが…。

 時も場所も問わない。簡単なゲームだ。お互い握手したまま前足同士くっつけて、引いたり押したり、左右に倒したりする。足が動いたり倒されれば負け。体格は全く関係ない。要はいかに柔軟かだ。

 実は私は今まで一度も負けたことがない。外国人3人と対戦した時彼らは私を舐めていた。結局全員を地面に這わした。意地になって何度も挑戦してきたが、一度も勝てなかった。アメフトで鍛えたという腕力は私の倍はあろう。

 道場でも時々遊びでやったが、ひ弱な私に面白い程転がされる。大抵の人は腕力頼みだが私は逆に力を抜いて敵に同化、一瞬の隙を利用する。(果たし状はいつでも受けます)

あげな話こげな話

プロ野球離れの原因は何?

スポーツとカネ儲け

 またか!相変わらず続くプロ野球界のスキャンダルだ。

 特に巨人は渡邉会長の絡む事件が多い。資本主義の権化みたいな言動が物議をかもすのだ。彼は東大生の頃熱心な共産党員。何があって逆の姿に変身したの知らない。いずれにしろ彼が巨人のトップになって事件が続くようだ。

 野球ファンにとって毎日のナイター中継が楽しみだったが、今は特別の場合以外中継はない。野球は巨人、巨人は野球という驕りの結果だ。巨人戦のナイターしかやらないからそうなってしまった。全球団の試合数は平等なのだが、中継は巨人戦中心だ。故にテレビの露出率は圧倒的に巨人が多い。だから野球は巨人になってしまうのだ。プロ野球の人気を支えてきたのは間違いなく巨人なのである。

 視聴率に陰りが出てきたのは2000年前後からで、それまで20%以上あったのが10%台前半に落ち込んできた。広告主が徐々に消え始める。何が原因か誰も分からない。確かなのは巨人離れだ。野球の持つ面白さ、楽しさよりも「巨人崇拝」で維持してきた球界の甘え構造があったことは否めないだろう。

 サッカー人気の台頭だと言う人もいるが違う。ファン層が全く異なるのだ。実はサッカー中継は視聴率が取れない。だからナイターは組めない。当初キー局も挑戦したが最悪のプロ野球よりも低い。それに試合が面白くない。そう言うと怒るだろうが、国際試合等の大試合以外は退屈なだけ。商業放送では試合時間もなじまない。はっきり言ってサッカーはスタジアムで生で楽しむスポーツなのだ。

 野球は逆で、中継を解説付きで観る方が楽しい。熱心なファンでなくても結構家族で楽しめるのである。

 巨人が申合わせを破って新人選手を高額で契約、表向きは制限枠を守った。私は球団は企業だから規制すべきではないと思う。ギャラが払えないのなら仕方ないではないか。野球離れは巨人のせいだけじゃない。巨人戦中継のおいしい放送料の分け前で、企業努力を怠ったのではないか。

 報道デスク時代、大分での巨人戦をニュース取材したが、選手インタビューで金を出せという。キー局に今まで払ったことはないと抗議すると「某局のワイドショーが広島の選手に払ったことで巨人選手もくれと言ってる。悪いのは某局。払ってやって」と懇願された。何億円もらっても金には汚い。ちなみにインタビュー代はたった1万円!。

スバルのせちいなぁ

スバルのせちいなぁ(せちぃ=大分方言 せつない)

能ある猫は爪を隠す アメショーの本性

 春だ。野山は緑の景色に模様替えだけど、オイラたちにゃ関係ねえな。若かりし頃(今でも十分若い、ともう一人のオイラが囁く)は、よく脱走して自由を満喫したもんだ。特に憎たらしいのがカケルの野郎だ。オイラがメタボで脱走が困難になったのを尻目に、しょっちゅう脱走するんだ。それも忍者みたいにさ。音も立てず一瞬でここのお母さんの頭を飛び越える。こりゃ防ぐ間もないよね。

 昔、大航海時代(ネコの言う言葉じゃねえな)に、ヨーロッパの海賊船や軍船が、ネズミ退治に、船内で飼っていたのがアメリカンショートヘアーだ、とこの家のお父さんが教えてくれたんだ。つまり、アメショーとキジネコじゃ比較すべきじゃないと言いたかったようだ。きっとオイラに劣等感で自殺されては大変と思ったのかな。はっきり言ってネコは自殺なんて下等な行動はしないんだ。生きてるだけでいい、と思ってるのさ。ひょっとして人間が下等な動物なのかも知れない。

 話は変わるけど、オイラにどうも分からない言葉がある。「ネコ可愛がり」という。「イヌ可愛がり」とは言わない。ネコもイヌも同じように可愛いと思うんだけど…。オイラの優秀な頭脳で言うと、人間はイヌにはけっこう叱りつけるけど、ネコには怒鳴ったりしない。ネコの利巧さや自立性を認めているんだと思う。カケルなんか、お父さんがうっかり怒鳴ったりするとすっかり脅えてさ。―それが外に出ると、凄いんだ。

 実は最近春になったせいかよそ者がよく襲撃してきて、外ネコのタマもマヨも逃げ回わる始末でね。その不良ネコとカケルが睨み合ってる場面にお父さんが出くわしたらしい。不良ネコが逃げ腰でカケルがとびかかる隙を狙ってる―という信じられないシーンだという。で、一瞬の隙にカケルが飛びかかって組んずほぐれつの闘いが何度か続いたらしいよ。結局お父さんが無理やり止めたって。相手を殺したかも知れないって言ってたけど、う~ん恐るべしカケル!昔はオイラが苛めてた…。それが今は時々あの野郎オイラを追い回す。まるで能あるネコは爪を隠すだ。意趣返しだよ絶対に。だから正直今、オイラは大人しくしてるんだ。「昨日まで悲しみなんて、どこか遠い所にあるように思っていた。それが今日ここに来てしまった。―私は幸せだった昨日を想う」(ビートルズ)



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