「未就学児の入場はご遠慮ください」という演奏会が多いことの考察

「未就学児はご遠慮ください」と書いてある演奏会が多い。そのため、家族に未就学児がいる私は見に行きたくても行けないことが多い。

個人的には、4歳くらいになるとしっかりしてきて、急に泣き出すようなこともないのでその辺を考慮していただいて、なるべく早期に生の音楽に触れられるような配慮もしてほしいと思っています。

もう少し考えてみますと、例えば3人の子どもがいて3歳ずつ年が離れている家庭があるとして、家族全員で行動したい場合、7歳・10歳・13歳になるまで、その演奏会には行けないということになります。

つまり、親にとって子どもが初めて生まれてから13年間は「未就学児の入場はご遠慮ください演奏会」には行けないし、長男長女にとっては、就学後よりずっと経過した13歳になるまで、そのような演奏会に触れることができないというわけです。

演奏会の主催者側から考えると、それだけ長い間多くの集客を減らしているということです。

未就学児がいる家庭の「親」も行けないわけですから、30代~50代位の子育て世代のお客も少なくなる。

結果として、お客はいつも60代以降の人ばかり、ということになるのではないでしょうか。

近頃は、クラシック音楽関係のお客さんの高年齢化を嘆く風潮を見かけますが、「未就学児の入場はご遠慮ください」という主催者側の選択により、必然的にその状況を導き出していると言ってもいいのかもしれません。

幼児期に将来の趣味嗜好が決まってくるということもありますし、クラシック音楽界の将来を考えるなら、より早期に生の音楽に触れられる機会を増やしていくことも大切なことの一つではないでしょうか。